マーケティングの仕事って華やかで憧れるけど、具体的にどんなスキルがあれば転職に有利なの?という相談をよく受けます。
今回は、マーケティング職に転職したい、マーケティング職で年収アップしたい人に向けて、身につけておくべきスキルを紹介します。
結論から言うと2つありまして、1つ目は、英語、2つ目は、データマーケティングのスキルです。
この2つのスキルを身につけることで、私自身マーケティング転職の市場で価値が上がっていることを実感しています。
以下一例です。
- 新卒時に比べると年収が5倍以上になった
- 40代でも転職ができた
- 企業や転職エージェントからスカウトメールが毎週来る
- GAFAのリクルーターからもスカウトメールが時々来る
上記のようなことは、間違いなく英語、データマーケティングのスキル・経験があるからです。
また私自身、マーケターを採用する立場でもこの2つのスキル・経験がある人材を採用したいです。
英語を身につけることの重要性については過去の記事に書きましたので、今回は、データマーケティングのスキルについて詳しく紹介していこうと思います。
この記事を読むとわかること
- データマーケティングとは?
- データマーケティングのスキルは何故役立つのか?
- データマーケティングのスキルを身につけるには?
データマーケティングって何?
データマーケティングは、データドリブンマーケティングとも呼ばれますが、広義では、マーケティングの一つとも言えますし、デジタルマーケティングの一つと言えます。
では、マーケティングやデジタルマーケティングと何が違うのでしょうか?
シンプルに言うとデータマーケティングは、マーケティングにデータを活用することです。
ここでいうデータとは以下のように様々なものを含みます。
企業によって保有しているデータが違うのであくまでも一例です。
- 売上データ
- SNS上でのコメント
- SNSのフォロワー数
- WEBサイトの閲覧データ
- テレビの視聴率
- スマホの利用履歴
- ECサイトの購買履歴
- クレジットカードの購入履歴
- アンケート調査データ
- 位置情報
個人情報の取り扱いが厳しくなっているので、上記の全てのデータがマーケティングに活用できるわけではありませんが、活用の可能性としてはあると思います。
そしてこれらのデータを使った以下のようなアプローチは、データマーケティングと言えると思います。
あくまでも一例です。
- ユーザーの行動履歴データからユーザーの気持ちを推察して商品開発をする
- 売上データを分析し、顧客のニーズを把握し、自社のターゲティング戦略を立てる
- WEBサイト上でのユーザーの閲覧データを参考に、ユーザーに最適な広告を表示する
- SNSのデータから、顧客の自社商品に対する評価を理解し、新たなマーケティング戦略を立案する
鋭い方はお気づきかもしれませんが、ほとんどの企業のマーケティング活動は、データマーケティングに関係しているということです。
テクノロジーが進んだことで、以前は、紙の上の情報だったものが、ほとんどデータになっていますし、スマホの普及により、位置情報や購買データなど今まで把握できなかったデータまで取得が可能になっています。
余談になりますが、今世界をリードしている企業のほとんどは、データをうまく活用している会社、データビジネスの会社と言っても過言ではありません。
例えば世界を代表する企業の一つであるグーグルの企業理念は以下です。
「Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。」
ここからもGoogleは、データビジネスの企業と言えますし、検索エンジンやGoogleが提供する様々なITサービスからもデータをうまく活用しビジネスに成功している企業ということがわかります。
データマーケティングが役に立つ理由
次に何故データマーケティングがマーケティングのキャリア構築に役立つか説明したいと思います。
データマーケティングは、ほとんどの企業のマーケティング活動に関係していると説明しました。
ではほとんどの企業がデータマーケティングを実践しているかというと、実はそうではありません。
ほとんどの企業、特に日系企業は、売上データ、顧客データ、マーケティングデータなど自社で莫大なデータを保有していますが、それをビジネスに有効活用することに大きな課題を抱えています。
私は、最大手広告代理店、最大手EC企業のデータ部門で、様々な企業のデータビジネスに携わりましたが、ほとんどの企業が多かれ少なかれデータの利活用に課題を抱えています。
データビジネスは、簡単ではないのです。
個人情報などデータポリシーの問題、データを扱うテクノロジーの問題、データビジネスを進める人材の問題などとても難しい問題がたくさんあります。
多くの企業がデータビジネス、データマーケティングに困っています。
データビジネス、データマーケティング課題を解決してくれる人が欲しいのです。
データマーケティングが転職やキャリアアップに役立つ理由は、ここにあります。
データマーケティングは、各企業が頭を抱えるくらい困っている領域。
課題があるところに大きなニーズがあります。
データマーケティングのスキルとは
では、データマーケティングとは具体的にどのようなスキルを身につければ良いでしょうか?
データマーケティングのスキルは大きく3つのカテゴリーに分けれられます。
データマーケティングプラニング
自社のデータや第三者のデータを活用して仮説を立て、マーケティングプラン、戦略の立案をするスキルです。
通常のマーケティング戦略立案スキルの延長ですが、データをどのように活用できるかプラニングする能力が必要とされます。
またデータマーケティングプランを作成するだけでなく、様々なステークホルダーと協業し、データビジネスを生み出すデータマーケティングプロデューススキルも含まれます。
データマーケティングのポジションに一番求められるスキルです。
データサイエンス
様々なデータを掛け合わせ、分析し、マーケティング課題の発見や消費者のインサイトを導き出すスキルです。
いわゆるデータサイエンティストのスキルなので、マーケターの必須スキルではありません。
しかし、データサイエンススキルがあるとデータマーケティングのプラニングにも役立ちますし、データサイエンスのスキルがあるマーケターが圧倒的に不足しているので転職市場では強力な武器になります。
今からデータマーケターを目指す人には、データサイエンススキルの習得を強くおすすめします。
データエンジニアリング
こちらも基本的にエンジニア向けのプログラミングスキルです。
なのでマーケターに必須ではないのですが、データエンジニアニングのスキルがあるとデータビジネスのプラニングやプロデュースに役立ちます。
例えば、マーケターとしてデータビジネスのプラニングをする際に、データエンジニアニングの知識があるとそれが技術的に可能かどうか、実現に向けてどういったパートナーやテクノロジーが必要かなど判断できるからです。
世界のイノベーションをリードしてきたCEO、ラリー・ペイジ(Google)、スティーブ・ジョブズ(Apple)、ビル・ゲイツ(Microsoft)、マーク・ザッカーバーグ(Facebook)、イーロン・マスク(SpaceX)は、皆エンジニア出身です。
このことからもITの知識やプログラミングスキルを持つことは、これからのマーケティングに強みになることがわかると思います。
また楽天は、エンジニアだけでなく、営業、マーケティング系も含め全ての新入社員にプログラミングの研修を必須にしています。企業がマーケターにもプログラミングの基礎知識を求めている証拠と言えます。
【参考】bloomberg記事 ”英語の次はプログラミング、楽天の三木谷会長が社員に要求”
これら3つのデータマーケティングスキルを取得できれば強みになることは、間違いないのですが、それぞれ奥が深い領域なので、一つの領域を深め、その他2つは、浅くで構わないと思います。
データに強いマーケターを目指すのであれば、データマーケティングプラニング能力のスキル習得にフォーカスし、自分自身のスキルや興味に応じてデータサイエンス、データエンジニアニングについて学ぶことをおすすめします。
データマーケティングのスキルの身につけ方
最後にこれらのデータマーケティングの習得方法を紹介したいと思います。
データマーケティングプラニング
データマーケティングプラニングスキルは、なかなか学校やスクールで学ぶことはできません。
企業の課題や状況によってアプローチが異なるので、決まったプログラムとして提供できないのでスクールやコースがないのだと思います。
一番の早道は、実際のプロジェクトで学び、経験を積むことです。
では、現状社内でデータマーケティングプロジェクトに携わってないのにどのように経験を積んだらようでしょうか?
二つ方法があります。
- 社内でデータマーケティングのプロジェクトが進んでいれば、手を上げて積極的に参加する。
- 自分でデータマーケティングのプロジェクトを作る
社内の業務のアサインは自分自身でコントロールできるものではありませんが、それくらいやらないと学ぶことはできないので積極的にアプローチしてみてください。
データサイエンス
データサイエンススキル習得に関してはいくつか方法があります。
1)スクールで学ぶ
データサイエンスやAIは、スクールがあります。
私自身は、データサイエンティストではありませんが、データサイエンティストと協業し、データプロジェクトをリードする仕事をしていたのでスクールに行ってデータサイエンスの勉強をしました。
その時に通ったスクールは以下のAIジョブカレです。
AI、人口知能に関するコースだけでなく、本格的にデータサイエンティストを目指すコースから、マーケターがデータサイエンスを学ぶコースまでデータマーケティングに関する様々なコースがあります。
私自身は、SQL講座・数学講座・統計R講座がパッケージになったマーケター向けデータアナリスト講座と別にPython講座を受講しました。
マーケター向けデータアナリストパッケージ講座
Python+数学超入門講座
講師の方が経験豊富な現役のデータサイエンティストやデータマーケターなので、社内のデータサイエンス研修を受講しているような実務を意識した質の高い授業が特徴的です。
2)オンラインプログラムで学ぶ
データサイエンスは、オンライン講座が充実しています。
おすすめは、以下の2つのオンライン学習プラットフォームです。
データエンジニアリング
データエンジニアニングやプログラミングを学ぶには、プログラミングスクールに通うのがおすすめです。
今はプログラミングスクールが充実しているので、自分が学びたいトピックに合ったコースを選ぶことができます。
もしデータインフラ系のスキルが必要であれば、AIジョブカレの以下のコースがおすすめです。
もしプログラミング全般を学びたいのであれば、テックキャンプがおすすめです。
未経験からのエンジニア転職を目指す本格的なコースですが、現役マーケターがプログラミングを学ぶ、マーケティング職を目指す人がプログラミングを学んでおく際にも良いコースだと思います。
私自身も現役マーケターとしてプログラミングを学ぶためにこのコースを受講しました。
真剣に取り組めばかなりレベルの高いプログラミング技術を取得できますが、中途半端に取り組むと得るものも少ないと思います。
自身の学習可能な時間や目的などに応じて取り組み方があると思うので一度スクールの無料カウンセリングを受講してみることをオススメします。
データマーケティングスキルは、マーケターの強力な武器になる
かなり長い記事になってしまいましたが、今回はマーケティング転職に有利なスキルとしてデータマーケティングを紹介させていただきました。
データマーケティングは、ほとんどの企業が抱えている大きな課題です。
データマーケティングのスキルを身につければ、マーケティング職への転職や、マーケティング職での年収アップが近づくはずです。